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今回は、ハイクリアについて記事を作ります。
皆さんはハイクリアについてどのように解釈しているでしょうか。
「そういわれてもハイクリアは、ハイクリアでしょ?」
これくらいにしか考えていない人が多いのではないでしょうか。
僕自身、ある程度の競技レベルになるまでハイクリアについて深く考えようとしていませんでした。
なんとなくハイクリア=クリアというような解釈をしていて、低い軌道のドリブンクリア以外はハイクリアになっていると思っていました。
しかし、現在は自分の意識では明確に分けるようになりました。
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僕の解釈では、
ドリブンクリアとは、低い軌道で素早く相手を時間的に追い込む攻撃。
ハイクリアとは、高い軌道で確実に相手を奥に押し込む空間的攻撃。
クリアとは、どちらにも分類しないリスクが少ないラリー球。
こんな感じに分類しています。あくまでも僕の解釈なので一般的な定義ではありません。
例えば、ドリブンクリアは時間的攻撃なので相手に予測されて先回りされると、自分が短縮した時間をさらに短縮されるのでより早く、かつ速く動かないと対応できません。
また、ハイクリアは相手をしっかり動かすので動くのが苦手な相手や、後からのショットが苦手な相手に有効です。しかし、滞空時間が長いので対応できる相手には精神的な余裕を与えてしまいます。
どちらが有効かはその瞬間や相手の傾向によるので一概には言えないです。
ハイクリアについて、なんとなく興味が湧いてきたでしょうか。
それでは、改めてハイクリアとはどんなショットなのか確認しましょう。
Contents
ハイクリアとはどのようなショットか
ハイクリアとは一言にいうと、相手を一番後ろまで動かすショットです。
「なんだ普通じゃん」と、思いましたか。
まず、学生を指導していてハイクリアを正確に打てる選手はかなり少ないです。
ほとんどが、自分はハイクリアを打っていると思っている選手です。
どういう事でしょうか。
多くが、通常のクリアでハイクリアになっていないのです。
改めて、具体的に相手を奥まで動かすのがハイクリアです。
本当に奥まで動かせているでしょうか。よくある間違いがバックライン付近くらいの奥に落下しているからちゃんとハイクリアになっていると思う状態です。
しかし、クリアは自分が打ち上げて弧を空中に描きます。
シャトルは減速するので弧の頂点は相手コート側のネットの付近になって徐々に下降します。
ここで重要なのは落下地点ではなく、相手のラケットの射程圏内に入るのがどの位置かという問題です。
通常のクリアだと、バックラインの1本手前より前で打つことが多いのではないでしょうか。
これがハイクリアだと、バックラインへ垂直に落下します。弧の頂点は相手コートの後ろ側です。
イメージしただけでもこ軌道のシャトルがとりづらいのがわかるでしょうか。
理想的な打点でスイングをするには身体の少し前をインパクトポイントにする必要があります。
言い換えると、打点より後まで動く必要があります。
通常のクリアだと、バックラインの1本手前くらいが打点になるのでバックラインまでさがればいいことになります。
しかし、バックラインが打点になるとそれよりさがる必要があります。
つまり、コート外から打たなければならないという事です。
さぁ、改めて相手をコート外まで動かすことができているでしょうか。
ハイクリアで大切なのは落下地点ではなく相手の打点をバックラインの直上にさせることです。
このくらいの高さになると、バドミントンの事を一切考えずに設計された古い体育館では天井にぶつかる事があります。または、他競技の設備に引っかかるなどがあります。
それくらいのイメージを持ってもいいのではないかと感じます。実際はバックラインに完全に垂直落下させるのは難しいですし、異常に長い滞空時間は相手にゆとりを与えてしまうので解釈も程度の問題かと思います。大切なのはハイクリアはれっきとした攻撃であるという認識とそれ相応の軌道とは何か意識して練習をすることです。
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ハイクリアの戦術について
続いて、どのようなタイミングでハイクリアを打てばいいのか考えてみます。
各種目によって重要なタイミングは変わってきます。例えばここまでの説明では、シングルスをイメージすると、直結したイメージになります。それは、状況が1対1でわかりやすいからです。
しかし、しっかりとしたスマッシュが打てる後衛と機能した前衛がそろった男子ダブルスだとハイクリアを打ったところであまり意味はありません。ただ、あくまでも基本という意味になります。たまにドライブ戦に強引にハイクリアを差し込む選手がいますが、ラリーのセオリーを外してかく乱させる意味合いがあります。それができる選手はラケットワークやラリーの展開を十分に把握できる競技レベルのはずです。おそらくこのような記事を閲覧するとは考えづらいため割愛します。
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それではまず、シングルスから考察をしてみようかと思います。
ハイクリアが有効と考えられるシングルスのシーン
シングルスでは、双方全てのコースに対応する必要があります。そのため、ハイクリアを打てば確実に相手をしっかり動かす事ができます。言い換えると、どのタイミングでハイクリアを打ってもある程度の成果を期待できます。しかし、少し成果が出づらいと感じる場面としては相手のサーブ受けた1打目の状況です。
ハイクリアは相手を動かせる一方、相手には十分な余裕を与えてしまいます。バドミントンはサーブ側よりもレシーブ側の方が有利と一般的に言われています。それは、レシーブ側の方が先手で攻撃ができるためです。相手にしっかりとした余裕を与えてしまうのなら、レシーブ側のアドバンテージを相手にゆずる程度の意味しかないように思います。ただ、直前にノータッチで得点したカットを打ち、同じフォームでハイクリアを打つのならば相手の初動を遅らせる事ができるので有用だと思います。
次に有効なタイミングどのような状況が考えてみます。
ポイントは相手の意識です。先ほどの内容とかなり類似していますが、相手の意識が前を警戒している瞬間はハイクリアが有効といえます。直前の展開でカットやドロップが有効に得点した後は後へのコースづくりが有効です。ドリブンクリアは成功すれば確実に追い込めますが、失敗すると飛びつきなどで対応されてこちらが苦しくなります。ハイクリアを打てばドリブンクリアよりは攻撃力が低いですが少ないリスクで甘い返球が返ってくることを期待できます。その甘い返球から積極的に攻撃に転じる事ができます。単発ではなく、組み合わせで点を取るきっかけの1球目をローリスクで打てるのがハイクリアという解釈ができます。
また、競技レベルによりますがハイクリアをクロスに打つと単発で追い込むことができます。しかし、ストレートでもかなりしっかり打たないとハイクリアにならないのですがそれをクロスに打つわけです。スマッシュのつもりで全力で打たないと中途半端なクリアになってしまいますので注意が必要です。
シングルスは以上になります。
次は、女子ダブルスのハイクリアについて考えてみます。
ハイクリアの有効と考えられる女子ダブルスのシーン
女子ダブルスでは、男子ダブルスと違いハイクリアをラリーの中で頻繁に使われます。このハイクリアをラリー中に使用する事が禁忌ではない事が男子ダブルスと女子ダブルスの大きな違いだと感じます。
女子ダブルスでハイクリアを使用していい理由はスマッシュとレシーブのバランスによるものです。男子ダブルスだとスマッシュの速度が速いためにしっかりハイクリアとして打ち上げても不利な展開になるだけです。しかし、女子ダブルスだとしっかり奥に打ち上げればある程度守り切る事が出来ます。そのため、ハイクリアを打つリスクの低さがラリーの中で使用していい理由になります。
女子ダブルスの面白さはこのハイクリアが混ざる事により、ラリーの展開のバリエーションが豊富になる事かもしれません。また、状況によってはハイクリアでしっかりコートの奥に押し返す事により相手を攻めづらくさせるなど逃げとしてではなく相手を揺さぶるという攻撃の一部のような使い方ができます。
また、なぜドリブンクリアではなくハイクリアかというと、ドリブンクリアだと素早く回り込まれて逆に攻撃されるリスクが高いので、攻撃の鋭さとしてのスマッシュと相手を揺さぶるためのハイクリアの組み合わせが理想的にと考えられるためです。
ハイクリアの使いどころとしては、比較的に自由に打ってもいいように思います。しかし、トップ&バックの状態で打つと稀に前衛がサイドバイサイドになるときにどちらにさがればいいのかわからなくなってしまう事があります。
そのため、ハイクリアを組み合わせたラリー展開をするときはある程度ペアの動きやフットワーク動きなどを踏まえてどのタイミングでどのようなコースに打つなど話す必要があるかもしれません。
また、ハイクリアのより良い使い方はカットやドロップなどのネット前のショットとスマッシュなどの相手に向かって鋭く攻撃するショットとしっかり組み合わせる事です。そうすることにより、場合によってはハイクリアの単発だけで崩れて得点に直接つながることもあると思いますし、他のショットがより効果的に得点につながるきっかけになると考えられます。
ハイクリアについてまとめ
以上になりますが一番大切な事はしっかりハイクリアになっているかどうかという事です。冒頭でも触れましたが、ハイクリアを打っているつもりで打てていない人が多くいると感じます。ハイクリアに対して特別な打ち方というものはなくて、あくまでも基礎力の問題となります。
バドミントンのコーチをしていて生徒はクリアなんて打てるから練習するショットではないと考えがちですが、しっかりとしてハイクリアを打てるようにするためにもクリアの練習は必須だと感じます。
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