バドミントンでの手首の痛み怪我、全てが腱鞘炎とは限らない

バドミントンでの怪我

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他の記事では特に言及していませんでしたが、僕の職業は整骨院の院長をしています。

これらの専門知識からバドミントンをする際の手首からくるスポーツ外傷である怪我についてご説明いたします。

バドミントンによる手首の痛み

バドミントンは手首を駆使するスポーツなので腱鞘炎等のスポーツ外傷を発症しやすいです。

腱鞘炎を発症しやすい他の競技ではテニスや野球、バレーなど多岐にわたります。

手首の怪我はいくつかありますが腱鞘炎が多いです。

しかし、一言に手首が痛いと言っても全てが腱鞘炎とは限りません。

これまで見たことがある外傷(怪我)を症状から鑑別してみましょう。

痛み方から分類する

手首の怪我はいくつかに分類できす。

その症状に合わせて自分がどれに該当するのか鑑別してみてください。

※最終的な判断はお近くの医療機関に受診してください

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腱鞘炎

バドミントンでの怪我で最も一般的なものだと考えられます。手首に痛みが出たらまずこれを疑います。

  1. インパクト時の痛み
  2. 指や手首を動かしたときに痛みがある。または動きが悪い。
  3. 指を曲げたとき明らかな引っかかりがある

TFCC損傷

腱鞘炎の次に多いように感じます。

怪我全体ではメジャーではないかもしれませんが、バドミントンは競技の特性からTFCC損傷が起こりやすいです。

  1. 特にバックハンド時に小指側の手首に痛みがある
  2. フォア側でも打ち終わった後、痛みがある。
  3. 手首を小指側に傾けると痛みがある。

手首の捻挫

上に該当しなければ次に手首の捻挫を疑います。

本人は手首を強く着いた記憶がなくてもスポーツとは関係のないタイミングで損傷したり、床すれすれでヘアピンをしてそのあとラケットごと手首を着いたりなどの可能性があります。

  1. 動作とは関係なく強い痛みがある
  2. 痛む箇所がぼやけている(手首全体が痛い)

ガングリオン

ほとんどは上の3つに分類できると思いますが、今までにこのガングリオンがありました。

基本的に無害のガングリオンですがまれにスポーツをする上で障害となることがあります。

ガングリオンはもともとスポーツ外傷ではありません。

何らかの原因により不規則にできた脂肪の塊です。

これが手などにできるとコリコリしたふくらみとなります。

これ自体は皮膚の下に不思議な塊ができるだけで本来は痛みなどはありません。

僕が関わった事例はたまたまこのガングリオンが手の腱の間などいできてしまい、体表からガングリオンとすぐに判断ができませんでした。

さらに場所も悪く、手の関節がほぼ動かせなくなってしまいバドミントンどころか、日常生活にも支障をきたすほどでした。

このような症例はかなり特殊と言えますが、他にも一般的ではない特殊な障害がある可能性がありますのでこれまでに紹介した物に必ず分類できると考えずにわからないことがあったら医療機関に受診してみてください。

バドミントンで発症する腱鞘炎

まず、バトミントンで発症する腱鞘炎の詳細をまとめます。

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腱鞘炎のメカニズム

他の記事でも腱鞘炎について記載したことがありますが、ここではより詳細に説明していきたいと思います。

まず、「腱鞘」について確認します。「腱」とは、強い繊維状の組織です。

筋肉は直接骨に付着するのではなく、必ずこの腱に徐々に移行して腱のみの束になり関節を乗り越え骨に付着します。

これによって筋肉が収縮して腱を介して骨を引っ張り関節を曲げています。

関節を曲げる動作は単純に骨と骨を筋肉と腱を介して引っ張り、近づけることによって動作しています。

単純に紐で引っ張るようにイメージしてもらえればいいかと思います。

さて、このしくみで問題があります。例えば、手首を前に曲げる動作をする筋肉は前腕(肘から手首の間の腕)についています。

このままでは手を前に曲げると最短距離で引っ張られ筋肉と腱が肘から手首にかけて前に大きくせり出すことになります。

しかし、そのようにならないのは、腱を手首で抑えるようにしてまとめているからです。

僕たちの手首や指がこれほどスマートにできているのは、この腱を細かく押さえつけるトンネルがあるからです。

しかし、トンネルで押さえつけられてるという事は、そこには当然摩擦などの不自然な力が加わります。

この不自然な力が積み重なって炎症の状態まで進行するのを腱鞘炎と呼びます。

腱鞘炎になると腱又は腱鞘に炎症が起きているため腫れています。

この腫れによってトンネル、つまりは腱と腱鞘の通りが悪くなり、動作とともに痛みが誘発されたり動きづらくなるといった症状が現れます。

腱鞘炎になってしまったらどうすればいいのか

炎症の基本はアイシングですが、もともと腱には血管が少なく痛みがではじめた状態を放置する事で悪化することは基本的にないと考えられます。

もちろんアイシングを否定はしませんが本格的なアイシングは必要ないという事です。

本格的アイシングとは、5度程度(保冷剤を薄いタオルで軽くくるんだ状態)を20分行い、休憩を20分を1セットとして5セット程度行うものです。

かなり苦痛ですが、挫傷などでは十分な効果を期待できます。

しかし、今回の腱鞘炎ではそこまでの効果は期待できないのではないかと考えます。

もちろん痛みがありますので、痛みの緩和という意味でアイシングをする分には十分に効果を発揮すると思います。

よって治療方針はシンプルに保存療法となります。僕は満足に回復するまでは競技自体も少し休んだ方がいいと考えます。

例えば、腱鞘炎になりました。どのようなテーピングをすればいいのかと聞かれることがありますが、腱鞘炎は初期の段階で痛みとして気になりだします。

そのため訴えを起こす段階では初期なのです。

僕はこの段階でしっかり保存して完治させればそれで済む話だと考えます。

結局テーピングなどで競技中のダメージを軽減してもあくまでも軽減しているだけで少しずつ消耗していきます。

筋肉などの血流の多い組織はケガが癖になっても重点的に後からフォローすれば最終的にケガをする前の状態まで回復することが十分に期待できますが、腱などの血流の少ない組織では長期的に炎症が長引くと、腱がわずかに膨らんだ状態で固定されてしまい、炎症が治まっても関節の動きが悪くなるという状態になります。

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こうなれば手術しかありません。

少しの期間、羽根うちができない事に不安を感じる選手もいるかと思いますが、バドミントンの練習はシャトルを打つことが全てではありません。

ラケットを振らなくてもフットワークや体幹トレーニングなど、パフォーマンス向上に貢献できる練習は多くあります。1・2週間シャトルを打てないことに強い不安を感じる選手はおそらくこれまでもシンプルに打つ練習しかしてこなかったものと推測できます。

このケガの期間を通してバドミントンに関わると感じる運動の勉強や競技の研究、基礎的なトレーニングに重点を置いてみると今までとは違ったプレースタイルや考え方を得られるかもしれません。

バドミントンで発症するTFCC損傷

バドミントンで発生するTFCC損傷について説明します。

TFCC損傷のメカニズム

まずTFCCについて説明します。TFCCとは三角線維軟骨複合体のことです。三角繊維軟骨複合体と言われても何のことかわかりませんよね。

この組織は手首が自由にグリグリ動く動作に一役買っています。

正式名称で橈骨や尺骨、手根骨などと言っても、そのような事を知りたいのではないと思いますので割愛して概要を伝えると、手首の構造はざっくり言うとけん玉のように器の上に球が乗っているような構造になっています。

しかし、手首につながる腕の2本の骨では器が作れません。

そこで、器としての形を補うようにして繊維状の軟骨が器の一部を担っています。

その繊維状の軟骨は三角形をしていて腕の2本の骨と合わさり構造をつくって(複合体)いるので、三角繊維軟骨複合体という名称になっています。

また、この三角線維軟骨は手首全体を構成しているのではなく、小指側に広い作りになっています。

ちょうど三角形の底辺に当たる部分が小指側で、頂点が親指側になるように三角形の繊維軟骨が広がっています。

さて、TFCCについてお分かりいただけたでしょうか。

このTFCCがバドミントンやテニス、野球などで損傷しやすいという話になります。

このTFCC損傷は一般的に1度の力で痛みとなるというよりは徐々に損傷し、気が付いたら痛みになっている場合が多いのではないかと感じます。

また、TFCC損傷の痛みは場合によっては刺すような痛みであったりするのではそこも特徴と言えます。

このTFCC損傷はなぜ起こってしまうのでしょうか。

もちろん手首を使っている以上は少なからずリスクはあります。

しかし、損傷をしやすい人とそうでない人は存在します。TFCCを損傷しやすい条件はこちらです。

  1. リストスタンドができていない
  2. さまざまなショットに手首の可動域を使い過ぎ
1、リストスタンドができていない

リストスタンドとは、手首を親指側に傾ける動作になります。

この親指側に手首を固定した状態でバドミントンのほとんどのショットは行われます。

それでは逆に小指側に手首を傾けていたらどうなるのでしょうか。

そうすると手首の状態が安定せず、コントロールが難しくなるばかりでなく、不意な力が小指側の手首にかかりやすくなります。

小指側の手首にはTFCCがあります。その余分な力がそのままTFCCを傷つけてしまうのです。

また、TFCCにダメージがはいりやすい動作がバックハンドです。

フォアハンドでは、リストスタンドを意識していなくても手首の小指側に曲がる力は加わりません。

しかし、バックハンドは思わず、小指側に曲げてしまいがちです。

特に気をつけた方がいいと思うのがドライブの時です。ドライブは上からかぶせるようにして打つことがあります。

このときしっかりリストスタンドしていないと、力強く小指側に曲げてしまうのです。

リストスタンドをしていて親指側は同じように損傷しないのかと気になりませんか。

親指側は親指そのものが物を押し込んだり力強く使うのでその根元部分は縦の力には強くできてきます。

そのため、リストスタンドをしていた方が、運動効率もよくケガもしづらいという事になるのです。

2、さまざまなショットに手首を使い過ぎ

これはほぼ、リストスタンドと同じ話になってしまうのですが、例えばカットなどのショットではシャトルを面で切ることになります。

ラケットを縦で使うときなど意識的に手首で調節する感覚や身体から遠いシャトルを手首の曲げ伸ばしの動きで合わせていたりするといつの間にか手首の小指側、つまりはTFCC損傷を発症しているという事態になります。

TFCC損傷を発症してしまったらどうすればいいのか

これも、腱鞘炎の時と同じように考えてもらっていいと思います。

基本的に保存療法です。痛みがしっかり引くまでラケットでのスイングは控えてください。

このTFCC損傷は腱鞘炎と違い痛みが出る動作と痛みの出ない動作がはっきりしています。

そのため、怪我の重大さをわからない人は気をつければいいという考えで治療に専念しようとしません。

本来なら1・2週間で感知する程度のものが半年間ダラダラ痛みが引かないなどの状態を作り出してしまう事があります。

手首の捻挫

手首の捻挫はバドミントンに限らず日常生活でも起こる可能性があります。

判断基準は、自覚できるような何かしらの力が加わってから手首に痛みが生じた場合は手首の捻挫の可能性があります。

捻挫に関して日常でいくらでも起こりうるので取り分け発生のメカニズムを説明するまでもないと思います。

いわゆる転んだ時に手を着いたなどですね。

良く起こりがちな手首の捻挫ですが、注意しなければならないのはケガの程度が自覚できないことだと思います。

痛みが起きているという事は必ず炎症が起きているという事です。

炎症がおきているという事はどこかの組織が傷ついているという事です。

ここで、特に重要なのが怪我の程度が自覚できない点です。

手を着いた位置が悪く腱鞘をつぶしてしまい腱鞘炎に移行する事も考えられます。

また、縦の力が加わるのでTFCC損傷のリスクはかなり高いと考えて間違いないです。

ここまでの内容ではアイシングはそこまでしなくてもいいのではないかという内容でしたが、捻挫に関してはどこがどのように炎症しているかわからないので入念にアイシングすることをおすすめします。

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