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今回は、バドミントンの上達には欠かせないラケットワークについてまとめます。
よく参考書などで回内についての説明がなされています。
しかし、回内と近い動作に内旋という動作があります。
この違いをご存知でしょうか。
実際多くのウェブサイトでは回内と内旋を混同して説明しています。
このサイトでも記事よっては説明の便宜上、混同させている場合があります。
というのも多くの回内動作は多くの指導者の間ではもはや常識で、回内について知らない人は初心者か、社会人始めで指導者がなく我流の人、または年配で回内の概念が存在しない頃に学生だったベテランでしょう。
何事も教えられなければ知るよしもないので、指導者がなく回内について知らなかった選手の皆さんはこの機会に理解していきましょう。
僕のサイトでも回内や回外について説明していますし、他にもわかりやすいサイトはたくさんあると思います。
改めて今回の記事では、回内・回外ではなく回内と内旋についてです。
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Contents
回内・内旋の共通点
名前が違いますが、比較するという事はもちろん共通点があるということです。
先ほど記述しましたが混同して説明されやすい両者ですが、動作として内側に腕を回す点です。
そのため、回内と内旋は連動して動作することがほとんどです。
対になる動作として回外と外旋があります。
例えば回内と外旋など対になる動作と連動することは身体の構造上不可能です。
また、内旋をせずに回内のみ。
回内をせずに内旋のみという事は可能です。
動作方法については記事後半にて説明するので試してみてください。
回内と内旋の違い
回内と内旋は同じ腕のうち回転ですが、明確な違いがあります。
この違いについて、解剖学・運動学な観点からまず説明します。
内回転をさせる部位による分類
まず、回内からの説明です。
回内は肘関節の運動です。よくある間違いで手首の動きという説明をしていることがあります。
正確な説明をすると、肘は屈伸運動と回内回外運動を行うことができます。
肘の関節を作る骨は上腕骨(上腕の骨で力こぶや二の腕の部分です。)
橈骨・尺骨(前腕に2本の骨があります。肘から手首の部分です。)
肘の屈伸運動は上腕骨と尺骨の間の関節で行います。
さて、回内をする関節は橈骨と尺骨の間の橈尺関節で行います。
そのため、間違いで言われている手首を使う必要はなく、手首を使おうとする事でフォームん乱れを作ってしまいます。
回内で使われる筋肉は、円回内筋・方形回内筋という筋肉が使用されています。
これらの筋肉は非常に小さいです。
そのため、バドミントンは回内でするものという考え方は間違っていることになります。
回内に使用する筋肉が小さいためにこれではスマッシュやドライブを力強く打てるわけがないのです。
それでは内旋はどうでしょうか。
内旋は肩関節の動きの名称です。
肩関節は広く見ると肩甲骨周辺を指すので意外とたくさんの関節が存在します。
しかし、そこまで専門的な話は必要ないので、肩甲骨と上腕骨という意味で肩関節とします。
肩関節は、肩甲骨の器に上腕骨の丸い骨頭(丸い部分)が合わさって作られています。
骨頭が丸い為、いろいろな方向に動かすことができるのが肩関節の特徴です。
その動作に一つに内旋動作があります。
例えば、きおつけの状態から腕を外側に上げることを外転。
前に上げることを上方伸展。
などと、細かく運動に名前があります。
内旋とは上腕軸を内回転させることを指します。
このときに肩関節の形は関係ありませんので、どの位置でも内回転させれば内旋ですし、外回転をさせれば外旋です。
この内旋に関わる筋肉に、広背筋や大胸筋が含まれます。※小さい筋肉割愛
広背筋や大胸筋はご存知かと思います。大きな筋肉ですよね。
これを鑑みると回内は肘周りの小さな筋肉で行うのに対して、内旋は胸の大きな筋肉と背中の大きな筋肉を使うので力強いショットを打つのにどちらが重要かは明らかです。
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回内と内旋の動作の見た目の違い
ここまで、回内と内旋の解剖学的、運動学的な違いはざっくり知っていただけたと思います。
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それでは、一見してどう違うのかを説明します。
あえて別々に動作をさせてみるとイメージがしやすいと思います。
回内は肘関節の運動なので、肘から先のみが動く内回転の運動です。
小学校でやっていた小さく前ならえ形を作ってください。
この状態でうちわの柄をグーで握って顔を仰ぐと、その動作は回内と回外のみを行っているはずです。
うちわの柄をグーで握るのが重要で、指先で持つと手首の屈曲と伸展を使ってしまう可能性があります。
また、内旋運動はこの姿勢からお腹を両手で覆う開くの動作をすると上腕軸を内回転外回転の動作をします。
いかがでしょうか。
回内と内旋の動作の違いはお分かりいただけたでしょうか。
オーバーヘッドストロークにおける回内と内旋
それでは、バドミントンとしての話に戻します。
それぞれの動作は始まる関節が違いますが双方連動させて運動を行います。
回内は前腕軸。内旋は上腕軸。
両方を同時に行うためには両方の軸を合わせてしまえばいいのです。
要は肘を伸ばすという事ですね。
ただ気を付けるのが180°完全に伸ばしてしまうと、うまく力が発揮できません。
ロスが大きくなってしまうのです。
明確に言い切れないのですが150°前後だと感じます。
多くのスマッシュの瞬間の写真がウェブ上にありますが概ねそれくらいではないでしょうか。
回内は何のためにあるのか
動作として弱い回内にスポットを当てる理由は何か考察します。
前述した通り、腕の内回転はほとんどが肩関節の内旋運動と言い切れます。
しかし、巷では回内の方にスポットが当てられて回内を知らないでバドミントンはできない上達は不可能くらいの免罪符となっています。
理由は、動作の強さではなく、動作の制限にあると思います。
バドミントンでやってはいけないラケットワークは、手首でこね回す事です。
僕も小学生を指導していますが、最初は本当にリストスタンドを作らず、手首で面を調整します。
しかし、オーバーヘッドストロークに関しては、回内動作するという事は必ずリストスタンドを作らなければ動作として成立しません。
そのため、マイナスなクセが付くことを防ぐことができるのです。
回内がなぜこんなに重要視されるかというと。
回内(肘関節)と内旋(肩関節)の比較の問題ではなく。
手首の屈曲伸展を防ぐ回内だったわけです。
そのため、回内動作自体に強い力は必要ないこともうなずけます。
練習法の紹介
さて、最後に練習方法について紹介します。
ここまで、丁寧に読んでいただいた方は理解したと思いますが、回内動作は1度習得したら訓練する必要はありません。
強いて言うなら普段の練習の負荷で十分です。
そのため、「回内のトレーニング法」という言葉は存在意義がなく練習内容以前に存在が間違っていることになります。
もし、トレーニングをするなら内旋の方ですね。
仮に、まだフォームそのものが出来上がっていないのなら話は別になります。
それでは、内旋のトレーニング法に移ります。
大切なのは「内旋動作のトレーニング」ではなく「内旋動作に貢献する筋肉のトレーニング」をすることです。
鍛える筋肉は大胸筋と広背筋でしたね。
という事は、内旋を強くしてスマッシュを速くしたいのであれば、俗に背筋と腕立て伏せをすればいいことになります。
よく、スポーツの筋肉とウェイトトレーニングの筋肉は違うといいますが、それは古典的な常識です。
現在のトップアスリートはバリバリウェイトトレーニングも行います。
あまり極端だと話が変わりますが、自重(自分の体重の負荷)でやる分には問題ありません。
また、動作として瞬発動作の練習も必要です。
瞬発動作とは小さい負荷で自分の最速で動かす事です。
この側面に関して、スポーツとウェイトトレーニングは違うと言えますが、瞬発動作はまさしく実践が瞬発動作そのものです。
という事は普段の練習で十分ですね。
そのため、スマッシュを速くするためにできる+αの努力は腕立てと背筋が直結していますね。
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